満足な豚は難攻不落だ

国家総合職(キャリア官僚)についての色々

官庁訪問体験記⑦ 第3クール1日目

結局、いつも通りの時間に起きる。

一応昨日は「A省に行く」と言ったが、それで良いのか…?

携帯を見てみると、着信が何件か入っていた。

そういえば「今晩は絶対に電話に出ない」と決めて(職員さんすみません…)、マナーモードにしていたのだった。

ただA省の採用担当から「必ず連絡して欲しい」とのメッセージが届いていたので、電話で今日A省に行くことだけを報告。

 

霞が関に着いて、気持ちの確認のため、C省の建物の前まで行く。

そして一礼をし、A省に向かう。

 

こうして今日も遅刻をしてしまったわけだが、受付のお世話係の職員さんも「おおっ、よく来たね」みたいな反応。まあわずか2~3年前だしな…。

 

この日は集合場所が2つに分かれていて、私は1軍部屋に案内されたようだった。

他の学生と喋る中で

・1軍部屋はもう内定を貰った人たち

・2軍部屋でも、後に行われるグループワークの軌道修正役として1軍の人が派遣されているらしい

・今年は人気のF省から数人A省に流れてくるという異例の年だった

ということを聞いた。

 

ちなみに省庁の採用人数はきっちり決まっているので、当落線上に居る人は流れてくる1軍勢の影響をもろに受ける。

 

そうこうしているうちに入口面談が始まり、この日のプロセスが始まった。

ただ正直、もう結果は決まっていて形式的なものばかりだったので、省略しようと思う。

 

待ち時間はひたすら部屋で喋り尽くしたが、やはり皆、内定を貰っているということもあって、部屋には安心感が漂っていた。

一方、同じ机の人数人を誘って2軍部屋の様子を見に行ったところ、静まり返っていて(たまたま?)、少し恐ろしさを感じた。

 

さて暫くして部屋の入れ替えがあるということで、1軍部屋の人たちが2軍部屋に案内された。

そこで両軍が対面することになったのだが、2軍部屋にはもともと知り合いだったV君やWさん、その他第2クール以前の控室で仲良くなった数人が居た。

何故V君やWさんが2軍部屋に居るのかわからなかったと共に、彼らにどんな顔を向けたら良いかわからず、気まずい時間だった。

 

特にWさんは対策会で何回か議論したり、官庁訪問の中日の日曜にカフェで集まったうちの1人で、ある程度どんな人かはわかっていた。

私よりも熱意があって頭のキレが良く、公共心もあって人柄も良い。「ああ、こういう人が内定を貰うんだなぁ」という感想を私に抱かせた人だった。

しかしそこで思い出したのは、先程の控室での「議論の修正役として派遣された1軍部屋の人」の話。多分そうなのだろう。無理にでも自分を納得させた。

 

そうこうしているうち(いやまあそんなに簡単に片付けられないけど)に出口面談に呼ばれ、今日のプロセスは終了。19時。よい時間だ。今晩も吉野家へ。

 

ホテルに戻るとV君からLINEが来ていて、まだまだ選考が続いているとのこと。

両軍対面の時に見かけた見覚えのある顔を思うと、胃がキリキリした。

部屋に誰が居るのか聞いてみたところ、Wさんも居るとの答え。

絶句。

彼女は「修正役」ではなく、ふるいにかけられていたのか。

 

その後もV君とLINEを続けること3時間。22時半。返信がはたと止まった。

いよいよV君も出口面談か…とこちらも身構える。

 

少しの間の後、

「受かりました。スレスレだそうです。」との報告。

安心感がどっと押し寄せ、祝福のメッセージを送る。

選考のこと、来年以降のことなど、色々話しながら会話は終了。

 

安心感と一抹のもやもやを胸に、就寝。