満足な豚は難攻不落だ

国家総合職(キャリア官僚)についての色々

官庁訪問体験記⑥ 第2クール3日目C省

信じられないことに、今日も遅刻…。

一応言っておくと、普段の私はそこまで遅刻するタイプではない。

東京に来てから、何かがおかしくなった…。

 

※今回はいつもより長めの記事ですm(_ _)m

 

今日は最初から別室(1軍部屋)に集合。

学生2人とお世話係の職員さん1人の、3人が先に居た。

学生は第1クールオンライン勢の1軍の人(X君)、LINEを交換した「あの2人」のうちの1人(Y君)だった(つまり「あの2人」の片方は辞退)。

 

取り敢えず入口面談では人事の方(以後Zさん、採用のキーマンのおっちゃん)A省と非常に迷っているということ、判断に必要になる要素の候補を伝える。

この日は基本的に私が予定を決められるようで、こちらの要望ベースで原課が組まれるようだった。

 

原課の一人目は、大臣秘書官も務めた課長だった。

幅広く政策についてお話を聞く。

 

原課を終えて控室に戻ると、Y君は既に辞退して帰ってしまったようだった。

X君も他省にほぼ心は決まっているようで、お世話係の職員さんが気の毒に思えてしまった。

 

暫く雑談した後に、原課②に呼び出される。

お相手は大臣秘書官(政務三役を除いた行政官の中でナンバー3?)で、場所は大臣室の中の一室(?)だった。

警備員さんに通してもらって部屋に入り、ご対面。

最初に少し大臣室を案内してもらう。

その後はいつものような原課で、色々と政策やC省についてお話を聞く。

 

原課が終わり、お昼時。

「お昼ごはんはウチの職員と食べない?」とZさんから提案され、それに乗る。

やはり自分と同じ境遇だった(A省とC省で迷った)職員さんが当てられ、色々と話す。

結局、近くのビルのカツ丼屋さんで奢ってもらい(ありがとうございます)、解散。所謂「飯オペ」。

控室に戻る。

 

この時点で「これ以上職員さんの話を聞いてもわからない、あとは自分で考えるだけ」と思うようになり、その旨をZさんに伝える。

 

控室に戻り、再びX君とお世話係の方と雑談。

夕方くらいになり、X君は「もう気持ちは変わらない」と言い残し、退室(辞退)。

程なくして、3人の学生が「昇格」してきた。

 

彼らと他愛のない話で盛り上がる中、日も暮れてお腹が空いてきたので、C省の食堂で夜ご飯を食べてリフレッシュ。

正直これ以上C省に居ても答えは出なさそうなので、出口面談をしてもらおうと、Zさんとの面談をセッティングしてもらう。

 

そこでは恐ろしいことを言われたが、それは後に譲ることにする。

Zさんに「もう答えは出ないです。明日、第3クール初日の朝に決めたいです」と伝えると驚いた顔をされ、「え、まだ決めないの?」と聞かれる。

私は「ああ、もう決めなければいけないのか」と悟り、腹を括ることにした。

「答えを出すのを先延ばしにするくらいなら、無理矢理にでも今答えを出そう」。そう決めた。

 

ただ正直、④でも書いた通り、仕事の面白さではA>C、職員さんの人柄ではA<Cで、決めきれない。いやでも決めなきゃ。

どれくらいの間考えていたかはわからない。

ただ、気がつけば「A省に行きます」と言っていた。

もうこれは直感。

 

その瞬間Zさんは短く「わかった。」と言い、続けて「ありがとね。ここまで悩んでくれて嬉しいよ。」と言い残し、部屋を出ていった。その後姿は、小さく見えた。

 

形式上、別の形で出口面談をしなければいけないということで、気が重かったがもう一度Zさんとお会いする。

何を言われるかと身構えたが、「それでもウチは君に来て欲しい。君なら〇〇を変えられる。明日の集合時間の最後の最後まで、私は君を待ちます。」と言われる。

そこまで言ってくれるのに、C省を選ばない(選べない)ことに非常に心を痛める。

 

時限爆弾を処理したはずなのに、心に重しを抱えたまま、今夜もとぼとぼと東京を歩く。

起きていればいるほど辛いだろう。

二十数年しか生きていない若造には消化しきれないほど色々なことがあったが、無理にでも早く寝ることにした。

 

 

恐ろしいことって…?

正直もっと良い構成があると思うが、思いつかないのでここに書く。

1軍部屋に昇格した3人と楽しく喋っていたことは既に書いた。

彼らは皆一様に

・そもそも、1軍部屋にいる(聞くところによると、3~4軍部屋まであったらしい?)

・人事課長との面接をクリアー(そうなればもう「確定」だよね、とお世話係も含め喋っていた)

・私と同様に「飯オペ」を受ける

Zさんとの面談ではその状況を受けて「同期となりうる人の雰囲気がわかって良かったです」と伝えた。

すると、Zさんはニコリともせず「彼らは同期じゃないよ」と言った。

 

私はすぐには理解が出来ずに「どういうことですか」と聞いたところ、「ウチの省としては彼らは採用しないよ」と真顔で伝えられた。

 

それだけでも怖いのに、まだ情報がある。

3人のうち1人はC省にとても惹かれて、選考が進んでいた他省に断りを入れていたらしい。

つまりC省一本にした状態で、不採用が決まっていたという…。

 

エグい…。エグすぎる…。

 

 

追記(7/7):

C省一本に絞ったその人は結局採用されたそう。

今年はC省は結構蹴られたようで、枠が空いたみたい。

それをC省内定者から聞いた時は本当に安心した。

 

ただそれ以外にもC省の黒いところも聞いてしまい、「うーん…」となってしまった。